FLAMME-IGA COMPLEX

concept | コンセプト
空間を「編む」

伊賀上野という歴史ある城下町に位置する、地域の核となるコミュニティ機能を持つ複合施設のプロジェクト。

間口が狭く奥行きの大きい敷地に、ショールーム、料理教室、カフェをベースとし、市民のためのギャラリーやホール、セミナー等のイベントスペースとしても利用が可能な複合施設を建てることを求められた。

限られたスペースを有効に活用し、複合化による相乗効果を最大化するための空間のあり方を追求し、全体をひとつの織物のように編んでいく空間を生み出した。

1200mmピッチに並べられた門型の木製フレームによって、それぞれの空間が包まれている。隣り合う空間同士を壁で仕切るのではなく、重なり合うように配置し、連ねていく。編み目のように重なる中間領域によって、空間同士が有機的に結びつくことで、新たな使われ方を誘発するような空間となっている。
detail | 空間
フレームを手がかりに境界ラインを自由に選択することができ、ギャラリーやイベントホール、パーティスペース等、多彩な活動の場として利用できる。連続する木製フレーム群は、空間を包み込む強さと、自由さを損ねない透明さとを兼ね備えている。伸縮自在で限りなく自由でシームレスな空間が織りなされ、同時に心地よく囲われた居場所がそこかしこに生み出されている。利用者は必要に応じて、好みの居場所を定めることができる。フレームの中を自由に出入りする利用者が、回遊しながら気配や奥行を感じ、次々と新しい発見やきっかけを生むような空間の実現を目指した。
detail | 構造
建物の長手方向に渡された木製フレームがそのまま建物を支える構造体となり、スチールのロッドが串刺しにすることで横繋ぎ材の役割を果たしている。木と鉄のハイブリッド構造により、直交方向の部材を出来り限り細くすることで、フレームがつくる空間の流れが強調されている。木の持つ温かみと鉄の強さという素材の表情を活かしたインテリアにより、凛とした強さを持ちながらも温かみのある空間となっている。
detail | 景観
外観はフレームによる直線の連なりをそのまま表現し、ガルバリウム鋼板とガラスで覆われたモノトーンな色合いと、軒高を抑えたプロポーションが、城下町の街並みに呼応しながら、新たな風景を生み出している。

グッドデザイン賞, AIA JAPAN 最優秀賞, 木質空間デザイン賞準優秀賞, JIA優秀建築選, Architectural Review Awards入選

物件名|FLAMME-IGA COMPLEX
用 途|カフェ・ショールーム・料理教室
所在地|三重県伊賀市上野茅町2668-1
竣工年|2006年
構 造|木造+鉄骨(ハイブリッド)1階建て
床面積|550㎡
施 工|大林組
URL|http://www.japan-architect.co.jp/jp/works/index.php?book_cd=100611&pos=15&from=backnumber
写 真|新良太(☆以外全て)
共同設計|Phiframe

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