Oral Reading Space えいごや

concept | コンセプト
開放的でなおかつ集中できる、全く新しい学びの空間を生みだす
3つの「キャビン」

開放的でなおかつ集中できる、「えいごや」に必要とされた空間を実現するため、天井からボックス状の垂れ壁をぶら下げ、通常のブースとは上下が反転した空間を作り出した。ぐるりとめぐる垂れ壁の内側には切妻屋根の形をした天幕が張られている。それは小さな家をイメージさせる。この「小さな家=キャビン」が空間のまとまりと落ち着きを与え、生徒が安心して授業に臨める空間を作っている。キャビンの下には、縦横にめぐる本棚があり、開放感を損ねずにやわらかく視線を制御しながらスペースを仕切り、一つのキャビンの下に複数のスタディコーナーを設けている。お互いの気配が心地よいノイズとなって伝わり、つながりを感じ合えるような適度な距離感を生み出している。
detail | 視線
キャビンは全部で大小3つ。立った時の目線より少し低い、床上140cmの高さに浮かぶようにならんでいる。椅子に座っていても、周囲を歩く人と目が合うことがなく集中を妨げない。席に着くためには垂れ壁をくぐってキャビンの中に入らなければならないが、この動作が、気持ちを切り替えて授業に臨む体勢をつくることを意図している。
detail | 光天井
目の高さに浮かぶキャビンは極力抽象的な形だけが見えるようデザインされているため、重さを感じさせず、独特の浮遊感を放っている。キャビンの天井は光を通す天幕(ガラスクロスのテント)となっており、包み込むように光が降り注ぐ。手元に全く影がでないので授業への集中を妨げない。 また、天幕のガラスクロスが吸音するため、隣り合ったスタディコーナー同士の音はほとんど気にならない。
detail | 本棚
スタディコーナーを仕切る役割をする本棚。天井からぶら下がっているキャビンの下半分には鉄の箱と木の板が交互に積み重なっている。本棚の厚みが、テーブルとテーブルの間に奥行きのある、緩やかな境界線を生み出している。キャビンとは対照的に、素材の手触りや質感を感じられるデザインとすることで、自然にリラックスできる空間となっている。

Project|Oral Reading Space えいごや
TYPE|塾
LOCATION|神奈川県藤沢市
YEAR|2008年
SIZE|100㎡
施 工|イシマル/イヌイットファニチュアー
URL|http://www.eigoya.jp
PHOTO|新良太(☆以外全て)

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